Himalsonia project

2015年4月に発生したネパール大地震では大きな被害をもたらし、ネパールの山間部の主たる収入源であった登山ガイド・ポーターの収入が途絶えました。かねてヒマラヤ登山を通じて懇意だったソルクンブ郡の登山ガイドから、千葉工業大学山岳部OB / OG 会=CITACOBに救援要請があり、在日ネパール大使館、公社・日本ネパール協会、JICA東京を中心にCITACOB が支援事業として山間部のパタンジェ村を中心にした事業を計画・進め、「Himalsonia project」として山間部での栽培に適している球根植物・サンダーソニアの球根生産指導を始めています。女性、こどもたちにも出来る作業が多く、村人皆さんの参加で年々生産量が増えています。

ソルクンブ郡 パタンジェ(Patanje)村は、人口約500人の山村です。パタンジェ村はネパールでも数か所しか見れない貴重なエベレストビューポイントの一つです。世界の最高峰エベレスト峰の南西70Km、標高2450mの山間地にあり、ネパールの首都カトマンヅーから西に120Km、4輪駆動車で10時間かります。村は主食のじゃが芋、とうもろこし、大麦を中心にした自給自足の農村です。

Himalsonia project

Himalsonia projectは、在日ネパール大使館、日本ネパール協会、JICA東京の協力のもと、CITACOB(顧問・神長明生)の支援事業として、パタンジェ村でサンダーソニア事業を計画・進めています。栽培地の開墾造成から整地・植え付け、球根堀上・球根洗浄、検品・分別、パッキング・出荷まで、ボランティアの指導で進んでいます。

※ Himalsoniaとは、英語のHimalayanとsanndersoniaを合成した造語です。

サンダーソニアの球根

今回テスト栽培した、10名の皆さんのお手元に届いたサンダーソニアの球根・マーブルは、ネパール・パタンジェ村の山間地の女性、こどもたちなどの手で栽培されたものです。パタンジェ村では、3月初めに植付(種蒔)、5月初めに発芽、 8月初めに開花します。9月末の雨期明けに球根堀上作業を始めます。
高地なので発芽後の5月でも雹害があるので、防護ネットが必要になります。

マーブルとは

マーブルは、新塊茎の発芽点部分が球状に肥大化したもので、いわゆる「木子」と同じような性質の物です。発芽点を2個持ち、重量2~8g、大きさ1〜1.5センチ位のほぼ丸い球根(下写真)です。

このマーブルを植えて(蒔いて)、鉢花で楽しめないものかと、関係者の一人・神長氏から相談があり、育種家の奥 隆善先生、坂本忠一先生のアドバイスを頂き、今回のテスト栽培が実現しました。

一般に販売されているサンダーソニアの球根は、下の写真のようにモヤシのような、折れ易いもので、V字形をしています。

▲Patanje村でのSandersonia球根の収穫を先週終えました(注:2022年8月下旬)。
今年は不良、規格外の出荷ゼロを目指し気合が入っています。
もう生産は現地に任せておいて不安がない所まで来たようです。
球根はこれから4ケ月冷蔵処理のうえ

2023年1月に輸入します。

(神長メール_20220828)

 

■資料動画:

ネパールもコロナ禍で海外への出稼ぎはもとより観光客も不在なのでKTMなど国内での働く場がなく、若者たちが家族帯同で山間地の親元に身を寄せています。
彼らがSandersoniaからの現金収入を期待して一生懸命頑張りますので、立派な球根がドンドン出来ています。

(神長メール_20220829)

 

下記アドレスをクリック、現地の作業雰囲気を少し味わえ動画が見れます。

2022o8_Patanje村でのSandersonia球根の収穫

 


■『 サンダーソニア事業PDF_by Kaminaga_s 』(PDFファイル: 2.3 MB)で、Himalsonia projectについて更にご覧頂けます。